海外旅行に行く場合、みなさん外貨の調達はどのようにされてますか?
わたし、到着後すぐに必要と思われるお金(到着空港から市内までの交通費やちょっとした食事がとれるくらいの現金)は出発時の成田空港や、到着した空港で普通に現金を両替してました。
一応、出発前にはどこで両替するのがお得か調べていくんですが、行先によっては成田空港だったり、現地のホテルだったり、市内の両替所だったりといろいろめんどくさい・・・。
現地での支払いは、カードが使える場合はすべてカード払いにしますが、ちょっとした食事や買い物、電車賃など現金が必要な場合もまだまだ多いです。短期間の旅行なら、旅行中に必要になりそうな現金は、空港で一度に両替してしまったりもします。
海外では大活躍のクレジットカード、いつもショッピングでしか使ってなかったのですが、パリに10日間ほど行くにあたり、キャッシングを利用してみました。
大量の現金を持ち歩くのも嫌でしたので、日本からは以下を財布に入れて出発。
- 日本円現金30,000円
- VISAカード1枚(メインカード)
- JCBカード1枚(予備カード)
日本円は、現地のATMで万が一うまくユーロを引き出せないときのため。保険です。
さて、空港で両替するのと現地でキャッシングするのではどちらが便利でお得でしょうか?
ちょっくら調べてみました。
空港両替所での為替レートの見方
まず、日本円現金をユーロ現金に空港の両替所で両替する場合、下記の表だと赤枠が重なったところを見ます。
「ユーロ」行の「販売レート(日本円→外貨):CASH」のところ、本日のレートでは1ユーロ買うのに130円30銭必要です。
この表は(日本円→外貨)と書いてあるのでわかりやすいですが、「SELL」「BUY」で表示されているところもあります。この場合、両替所が「SELL(売る)」か「BUY(買う)」かの意味ですので、お客さんが「両替所からユーロを買う」ことは両替所からすると「お客さんにユーロを売る」ことになるので「SELL」の列を見るのですね。あーややこしい。
このレートは毎日更新されます。ちなみに両替は現金から現金で行いますので「CASH」の列を確認です。
成田空港のサイトにも同じ表がのっておりました。
空港両替所の手数料は?
空港や、銀行など両替所でのレートは、毎営業日の午前中に、外国為替市場での実勢レートを参考にしてTTM(仲値)が決められ、それを元に外貨預金などの預入れや引き出しの際に使われる外貨の売買レート、TTS(銀行の売値/お客さんが外貨を買う時のレート)やTTB(銀行の買値/お客さんが外貨を売る時のレート)などが決められます。
本日の例でいえば、ユーロですと本日のTTMは、126.38円(※1)です。上の表を見ると現金の両替レートにはTTS、TTBのレートにさらに2.5円ずつ手数料が上乗せされてますね。
ユーロ(売り):130.38円 (日本円→ユーロ)
ユーロ(買い):122.38円 (ユーロ→日本円)
となっています。
なんと!日本の一般的な銀行では約4円ほどの手数料を取っているようです。高いっす!
1000ユーロ買ったら手数料4000円っす!
(※1)公表仲値(TTM)は、TTSとTTBの中間の相場であり、(TTS+TTB)/2で算出されます。
よく、「手数料無料」や「No Commission」と掲げている両替所がありますが、掲示されているレートには手数料分が上乗せされたレートが表示されていますので、実質、手数料を無料にしているところはないと思います。。。残念ながら。。
クレジットカードの為替レート
ショッピングで利用
ショッピング時には現地通貨建ての金額は、各クレジットカードブランドが独自に採用している「換算レート」で円に換算されます。利用データが米国Visaに集まった際、Visaが独自の換算レートを適用します。換算レートはカードブランドごとに異なりますが、先ほども出てきたTTM(仲値)に近いレートが採用されているようです。
それにプラスして、海外利用にかかるコストとして1.6%~1.63%程度の「事務処理コスト」があります。ちなみに今回使用したVISA(セゾンカード)は2012年当時は1.6%の事務処理コストが適用されてました。(2014年8月4日引き落とし分から1.63%に変更されています)
キャッシングで利用
なんと!ショッピングで加算されていた「事務処理コスト」がかからないみたい!
なので、レートはほぼTTM(中値)にちかいということですね。
キャッシングでかかるコストは?
「事務処理コスト」がかからないということは。。。かかるコストは以下だけかな?
- 現地ATM手数料(1回につき216円)
- 利息
今回利用したVISA(セゾンカード)での内訳です。
ATM手数料
まず、ATMの利用手数料がかかります。1回につき216円(消費税率が8%へ改定されたことに伴い、2014年4月1日より216円に変更になりました。それ以前は1回につき210円。)
明細を見ると、当時2012年でしたので210円が加算されています。
利息
そして、もちろん利息がつきます。
利息の計算方法は
1日あたりの利息=キャッシング金額 x 年利 ÷ 365日
式に当てはめると、1000ユーロキャッシングしたとして
1日あたりの利息=1000 x 0.15 ÷ 365 =0.41ユーロ
1日当たりの利息は0.41ユーロ 本日のレート126.38円をかけると、1日当たりの利息は51.81円でした。
※小数点第3位以下は四捨五入しています。
では、実際のキャッシングで考えてみます。
あ、その前にカードによって、締日、引き落とし日など決まってると思いますので、これを確認しておきましょう。これ大事です。
わたしのVISA(セゾンカード)の場合は、月末締め、翌々月4日引き落としでした。なので、自動引き落としで返済する場合は月末にキャッシングするのが一番よいです。
例:4/30キャッシング 6/4引き落とし(返済)とすると、35日分の利息がつきます
※期間の起算で、日、週、月又は年によって期間を定めたときは、期間の初日は、算入しない。となっていますので、初日を含めずに計算します。
では、1000ユーロを換算レート126.38円、35日借りたとしたら
利息=借入金額x年利(利率)÷365x借入日数xレート
=1000x0.15÷365x35x126.38
=1817.79円
おや?空港の両替所で両替するよりお得そうですよ。
帰国後引き落とし
このように、11/27にキャッシングした分は、翌々月、年明け1/4の引き落とし日に自動で引き落とされました。
今回は、自動引き落としとしましたが、カードによってはATMから前倒しの返済も可能ですので、帰国後すぐに返済すればもっとお得になります。ただし、場合によりATM手数料がかかる場合がありますと書かれてますので、よーく確認してから返済してください。
それと、通勤途中など利用しやすいところにATMがない場合も、自動引き落としのほうが便利です。
まとめ
100~3000ユーロを調達するのに必要な日本円を計算してみました。
左から、ユーロ、基本となる為替レート、空港の両替所で両替した場合(手数料は1ユーロ当たり4円としています)、現地でキャッシングした場合(35日返済)、右2列は情報として自動引き落としで最短で返済した場合の利息、月初にキャッシングするなど引き落とし日まで2か月ほど期日がある場合の利息です。
ただし、キャッシングはATMの利用1回につき216円かかります。
よって!
表を見る感じですと、100ユーロなら空港で両替してもいいですが、200ユーロ以上調達するなら、現地キャッシングのほうが微妙にお得そうです。
ユーロ | 本日のTTM | 両替所 | キャッシング | 利息35日 | 利息64日 |
126円 | 130円 | 126円+35日分利息 | |||
100 | ¥12,600 | ¥13,000 | ¥12,781 | ¥181 | ¥331 |
200 | ¥25,200 | ¥26,000 | ¥25,562 | ¥362 | ¥663 |
300 | ¥37,800 | ¥39,000 | ¥38,344 | ¥544 | ¥994 |
400 | ¥50,400 | ¥52,000 | ¥51,125 | ¥725 | ¥1,326 |
500 | ¥63,000 | ¥65,000 | ¥63,906 | ¥906 | ¥1,657 |
1,000 | ¥126,000 | ¥130,000 | ¥127,812 | ¥1,812 | ¥3,314 |
1,500 | ¥189,000 | ¥195,000 | ¥191,718 | ¥2,718 | ¥4,971 |
キャッシングと聞くと、いわゆる借金のイメージが強く、法外な利息がつくんじゃないか?なんとなくいやだ。と思う方も多いかもしれません。
でも、こうやって見ると、なかなか優秀な両替法なのです。
大量の現金を持ち歩きたくないなら、現地ATMで気軽に現地通貨を調達したいなら、キャッシングを利用してみるのもよいと思います。
ただし、キャッシングご利用可能枠の確認、締日、引き落とし日、年利の確認を忘れずに~。
あ、当時パリの空港についてすぐに400ユーロをキャッシングしたのですが、このあと、大事件が起きたのでした。それについてはまだ次回。
ちょっとあたま使ったので知恵熱がでそうです。
パリでのスリ事件についてアップしました。パリに行く人はぜひ気を付けていってきてね!