アメリカでは4年に一度、オリンピックイヤーに大統領選挙があります。現地ではオリンピックよりも盛り上がるとされています。日本でも予備選挙の話題が時々取り上げられていますが、いまいちよくわかってなかったので、これを機にいろいろと調べてみました。
調べると、「なるほどー。そうだったのね。」ってわかることもたくさんあって、オリンピックと一緒に、アメリカ大統領選も、ニュースも楽しめそうです。
みなさんも今年の大統領選挙を、蚊帳の外から(!)思いっきり楽しみませんか?
アメリカ大統領選挙スケジュール 2016
予備選挙(候補者指名争い)
アメリカでは、民主党、共和党が2大政党として争っており、大統領はこのどちらかの党から選出されています。
予備選挙は各政党内で、誰を大統領候補者とし本選挙に送るかを決める選挙です。
予備選挙 1~7月
約半年をかけて、各党は候補者をひとりに絞り込んでいきます。予備選挙の結果によって辞退する候補者が出てきます。
予備選挙では、政党登録した有権者だけが投票できる「closed」と呼ばれる方式と、登録していない無党派層も投票できる「open」と呼ばれる方式があり、州によって異なります。各州の有権者は代議員に投票します。代議員は自分が支持する候補者が決まっているため、有権者は代議員を選ぶことで間接的に大統領を選んでいます。
例)クリントン候補に投票したい有権者は、クリントン氏を支持している代議員に投票します。
予備選挙の最大のヤマ場は、日本でも話題になってました「スーパーチューズデー」と呼ばれる日です。年によって2月または3月初旬の一つの火曜日をさします。今年は3月の第1週の火曜日がその日にあたり(3月1日でした)、10以上の地区で予備選挙が行われます。
ちなみに3月15日は「ミニ・スーパーチューズデー」と呼ばれ、6つの地区で予備選挙が行われました。
代議員の人数は州によって異なり、人口に比例して配分されています。その結果、各候補が得た票数に応じた代議員の数を獲得し、この獲得人数が多い候補者が優位に立ちます。
全国党大会 共和党(7月18日) 民主党(7月25日)
「全国党大会」が、共和党(7月18日)、民主党(7月25日)に行われます。
ここで、代議員による投票を行い、大統領候補を各党ひとりずつ正式に指名します。
本選挙
共和党候補と民主党候補の1対1の対決となります。
テレビ討論会 10月中旬
ここが大統領選挙での一番のクライマックスのようです。ドラマや映画でこの討論会の様子が時々でてきますよね。
あー、激突ぶりを生で見れないのが残念!日本でもこんなエキサイティングでエンターテイメントな激突討論会があったら絶対盛り上がるのに!
ん?盛り上がるかな。。。
日本の政治家の激突は見たいかな・・・? そもそも激突するかな?
自信なくなった。
一般投票(決戦日)11月8日
全米50州で有権者は各州の「選挙人」を選んで投票します。
選挙人は各州に決まった数います。下記の表を参照してください。
- * コロンビア特別区は州ではないが、選挙人数3人を割り当てられる。
- ** メイン州とネブラスカ州では、勝者が選挙人2人を出し、残りは得票率に応じて振り分けられる。
- (+) または (-) 2004年及び2008年選挙人団に比べての、選挙人数の増減を示す。
選挙人は、予備選挙の時の「代議員」と同じように、どちらの候補を支持しているか表明していますので、有権者はここでも間接的に大統領を選んでいます。
本選挙の勝敗決定の方式は「勝者独占方式」と呼ばれていて、その州で1票差であっても最多得票となった政党が、その州全体の選挙人の人数すべてを獲得できます。
例)ある州での選挙人の数が5人とすると、得票率を按分すれば共和党が2人、民主党が3人分の得票を得たとしても、得票率の多かった民主党が5人すべてを獲得できます。
選挙人は全部で538人いますので、その過半数270人の選挙人を先にとった候補者が大統領になります!
カリフォルニアやテキサスなど、選挙人の数が多いところで勝利すれば、この州の選挙人の数をがっぽりと総取りできますので有利なのは間違いないですが、もうひとつ勝敗の鍵を握るのが、スイング・ステート(揺れる州)と呼ばれる、両党の勝敗がわからない浮動票を多く持つ州(激戦州や接戦州とも言われます)で勝利することです。
青い州…民主党が強い州
赤い州…共和党が強い州
薄茶の州…スイングステート!ここを勝利することが大事!
事実上、11月の一般投票で次期大統領は決定しますが、選ばれた選挙人が集まって12月に投票し、来年1月に開票、1月20日に正式に新大統領が就任します。
投票 12月中旬
各州で大統領選挙人による投票が行われます。形式だけ。。
開票 1月6日
開票して、新大統領が決定します。形式だけ。。
新大統領就任 1月20日
新大統領の任期スタートとなります!
まとめ
2016年4月現在、各党の候補者は以下の5名に絞られているようす。
民主党 候補者
- ヒラリー・クリントン
アメリカの政治家であり、弁護士。合衆国第42代大統領ビル・クリントンの夫人。2008年11月の大統領選挙を目ざしたが、民主党大統領候補の指名投票で、バラク・オバマに敗れた。オバマ政権で2009年から13年まで国務長官を務めた。大統領に選出されればアメリカ初の女性大統領となる。 - バーニー・サンダース
社会主義者を自認し、上院では最もリベラルな議員の一人。それも「金持ちに増税する。大学まで学費をタダにする」という超リベラル。 大工やジャーナリストとしての職歴があるほか、ハーバード大学やハミルトン・カレッジで教鞭を執った経験も。 大統領に選出されればアメリカ初のユダヤ人大統領となる。
共和党 候補者
- ドナルド・トランプ
不動産開発とカジノ経営を手掛ける。メディアの活用にたけ、リアリティ番組「アプレンティス」では主役を務め、 “You are fired!” (お前はクビだ!) の名台詞で有名。今も変わらず毒舌暴言王。歯に衣(きぬ)着せぬ発言や派手な人柄で知られている。これまで公職に就いたことはないが、交渉力とビジネス感覚に優れ資金力もあるとぬかすナルシスト。 - テッド・クルーズ
2012年にテキサス州選出の上院議員に当選。前職は同州の検察官。草の根保守派運動「茶会(ティーパーティ-)」系の“ヒーロー”である。共和党保守派の急先鋒で、党指導部とオバマ大統領の双方に批判的な見解を表明している。オバマ政権の政策には悉く反対、阻止、非難を繰り返している。 - ジョン・ケーシック
投資銀行勤務やフォックス・ニュースのコメンテーターを経て2010年にオハイオ州知事に当選。連邦下院議員としての経験が20年近くある。他の候補者に比べて知名度は低いものの、オハイオ州という重要なスイングステート(民主党と共和党の間で勝利政党が揺れる州)で選挙に勝ってきた経験がある。
現在は、予備選挙の真っ最中。スーパーチューズデー、ミニスーパーチューズデーでは、民主党はクリントン氏、共和党はトランプ氏(!!)が圧勝してましたが、その後の選挙ではそれぞれ、サンダース氏が盛り返し、クルーズ氏も追い上げています。まだまだ誰が党の指名をとれるか分かりません!ドキドキ!
レース前は、クリントン氏の圧勝でないの?って思ってましたけど、なんか暗雲が垂れ込めてます。もしかしたら、トランプ氏ってこともあり得るのでは?と想像して怯えております。
トランプ氏が大統領になったなら、あのパックンも日本に亡命すると申しておりました。
さて、どうなるのか、いやー、オリンピックより楽しみになってきたかも(゜゜)