「成功者の告白 – 5年間の起業ノウハウを3時間で学べる物語 - 神田昌典」 レビュー

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30代の青年がビジネスで成功していく過程で起こる様々な困難と、その困難を乗り越える方法が描かれています。

小説形式になっていて、わかりやすくすぐに読めますので、これから起業を目指す人、起業しビジネスを大きくしていこうとしている人にはおすすめします。(そうでなくても十分楽しめます)

成功までの過程で地雷が埋まっていることは確かなのですが、どこにどのような地雷があるのか、もし踏んでしまったらどのように対処すればよいのかがわかるかもしれません。

自分には関係ないと思っていても、成功者の道筋には 確実に 地雷が埋め込まれているらしいですから・・・イヒヒヒヒ・・・

ビジネスでの成功という、わたしにはちょっと縁遠そうな話でしたが、面白かったです。

企業や会社という大きな組織だけでなく、もっと小さな組織、例えば部活動や、職場のチームなどでも参考になりそうな事例だなあと思って読みました。

よいチーム(組織)をつくるためには

チームづくりの基礎として「STEP1.母親的な愛情」、「STEP2.父親的なしつけ」が必要と言っています。

STEP1:母親的な愛をそそぎ、信頼関係を築く

従業員の感情に焦点をあて、「自分はこの会社の一員だ。」「この会社に必要とされている。」「自分のそのままでここにいてもいいのだ。」という「自分の存在を認められた。安心だ。」という感情を持ってもらうことが大切です。ここで従業員に会社の大ファンになってもらうのです。

STEP2:父親的なの意思の力でルールや規律を徹底していく

道徳や価値観のように基本的な行動様式や習慣を変えていくにはとても長い時間がかかります。最低7回は繰り返す必要があります。

ここでいう、「STEP2:父親的なしつけ」に該当するのが次に説明する「クレド」です。

クレド(CREDO)とは?

この本の中で特におもしろかったのが、よいチームを作るためのマネジメント法のひとつとして取り上げられていたクレド(CREDO)についての記述でした。

クレドとはラテン語で「信条」「志」を意味しますが「企業理念を浸透させる活動」を表す言葉として定着してきているようです。そのクレドを携帯可能な状態にしたカードが「クレドカード(CREDO CARD)」です。

クレドの活用方法は、クレドカードに書かれた項目の中からひとつについて毎朝チームで話し合う。そうすることで、この項目に沿ってチーム全体が無意識に行動できるようになっていくということらしいです。経営者の理念や想いが、従業員当事者のものとなっていくのでしょう。

クレドを採用している一流企業としては、高級ホテルチェーンのリッツ・カールトンや医療品・医薬品メーカーのジョンソン&ジョンソンが有名なようです。

さて、クレドと、日本の会社でもよく行われている朝礼での企業理念やスローガンの唱和は同じものでしょうか?何かが違うような?

毎日そのことについて考えて話し合うのと、唱和するだけとは全く理解度が違いますよね。おまじないのように聞こえますが、クレドの効果は抜群らしいのです。

うーん。一種の洗脳ともいえないことはないような・・・。

クレドだけおこなっても効果はない

朝礼での理念の唱和や持ち回りの司会、業務改善やコミュニケーションのための発表などをさせる場合は従業員の反感をかいそうです。たかが朝礼ですが、スムーズに行うためにはある程度の下準備が必要です。理念やスローガンの暗記(カンペ用のメモ作り)や、発表することを決め、その資料作りやまとめ。大勢の前で発表するなら数日前から緊張して眠れない!ということもあるかもしれません!ストレスですよね。

正直、「忙しいのにこんなことに時間を使いたくない。」「この時間があるなら、あれとあれをやってしまえるのに。」「業務以外のどうでもいいことに頭を使いたくない。」、働いた時間でお給料をもらうアルバイトやパートなら「そもそも契約内容にはこんなこと書いてなかったぞ!発表用の資料作りにかかる時間の分のお給料は?」とも思うでしょう。

そんな不満を感じるのは、従業員が会社のファンではないからです。会社の理念を理解し、会社のために何ができるのかという思考を持てないからです。チームづくりの基礎の「STEP1:母親的な愛情」を十分に感じられていないのです。

その時点で、いくら理念を唱和しても「ただの言葉」を言っているに過ぎず、経営者の理念や想いを従業員に浸透させることは難しいと思います。

クレドをおこなうには、その前のステップ、「母親的な愛情」を与える段階が必要不可欠だと言えそうです。

ディズニーランドの場合

ディズニーランドを例にとってみると、パーク内のスタッフはほとんどアルバイトだといいます。しかし、アルバイトにも関わらずスタッフはみんな「ディズニーのスタッフとしての誇りを持ち、どうあるべきかを理解し行動している」ように思います。すごくないですか?

ディズニーの有名な施策として「正社員がコスチュームを着てアルバイトを接待する感謝デー」がありますよね。他にも「アメリカのディズニーランド研修ツアー」や「ミニマラソンの開催」など従業員の満足度を高めるためのイベントがたくさんあるそうで、従業員はディズニー大好き→ディズニーの魅力をお客様にも伝えたい→お客様満足度アップという好循環が起こっているようです。すごくないですか?

やっぱり、従業員を会社の製品やサービスの大ファンにすることが、お客様満足度をアップさせるには大切だということですよね。

まとめ

この本を読んで、「ああ、あの朝礼にはこんな狙いがあったのかな?」とか「あのミーティングの意味はこれだったのか!」とか、自分のチームや会社の状態について、多くの気づきがありました。

会社がやろうとしていることの狙い(それを、狙ってやろうとしているのかどうかは疑わしいけど)がわかると、きっといろんなことが見えてきますよ。

世の中には、お客様満足度をあげようと頑張ってる会社がたくさんあると思います。

まずは、従業員が勤務先の会社の一員であることに誇りを持てるような環境をつくること。従業員自身を会社の大ファンにすることが大事なのだと思います。

世のリーダーのみなさま、これからのリーダーを目指すみなさま、心にとめておきましょう。

レッツ

従業員の満足 = 顧客の満足

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